vol.16 ●こんばんは。でもさようなら。
 
Fat Tuesday Air Line
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あっぱれハーレム、へっちゃらニューヨーク!!


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vol.16 ●ルームメイトよ、永遠に!

やってきた小さな小さなルームメイト。それは小さくてすばしっこいネズミ。
ヤツらは、確かにアイちゃんのいうように、玄関まで走り抜けて今度は逆走してくる!

生きたネズミを見る機会なんてそんなにないので、目を凝らしてその動きをじっくり観察してみたら、
ヤツラは、ヒーターの管をつたって部屋の中に入ってきているらしい!
しかも、一匹だと思っていたら2匹いるらしく、こっちが一人だと思って、走り放題すき放題だ!

「あ、きた! うわ〜、こっちキタよ!」と叫ぶ。
でも部屋には私一人だけ。誰も一緒になって戦ってくれる人はいない。
よ〜し、追い払ってやる〜!と、私も彼らの動きを阻むために、走るルートに立ちはだかってみた。
そうすると、彼らは息を潜める。
しかしそのうちまた、タタッと足音がして、すばしっこく走り抜けるのだ。

いたちごっこ。
というか、トムとジェリーごっこ。

そんなバトルを繰り返してしばらくすると、急におとなしくなった。
ああ、よかったよかった。なんとか今日はやり過ごしたよ。
ほっとした。そしてなんだかこう、激しい試合を戦ったあとの爽快感、そんな感覚を覚えた。
と、そのとき!

一匹のネズミが、こっちに向かってやってきた!
タタタッと走りよってきて、雑誌の匂いをかぎはじめたっ!

「うわぁ〜!!」
そんなに近くに突然来られたら、驚くやん! びっくりするやん!
どうしたん、そんなリラックスして!

ちょっとだけじっくり観察してみると、日本でみるような大きな太ったネズミではなく、
小さくてきゅっとしてかわいい。でも、そんなに気を許されても困るので、とりあえず
「コラッ!」と声を出して、脅しておいた。何度か同じことの繰り返しだったが、しばらくすると試合終了。
今日のところは、こんくらいにしといたる!

その数日後、台所のネズミ捕りに1匹のネズミがかかった。
ちいさなネズミは、ゴキブリほいほいみたいなものにくっ付いて、
ちゅーちゅーと鳴いていた。
「たすけて〜、たすてけ〜」といっているようにも見えた。
もしかしたらヤツかもしれない。
その部屋の主からお留守番を預かっていたTさんが、これどうする?と
みんなに相談を持ちかけてきた。
誰も彼もがその姿を見て、「なんだかかわいいなぁ〜」、「かわいそうやな〜」といいながら、
輪になってその息も絶え絶えなルームメイトにじっと見入る。
その小さくてカワイイ姿に、同情をよせてしまいそうだ。
でも結局、かなり弱っているし放してもしょうがない!と袋に入れて、ゴミに出すことに決定。
そのときTさんはこういった。
「私の友達の彼氏がアイルランド系なんだけど、こうやってネズミが捕まると、かわいそうだから・・・
といって袋にいれてね・・・

そのまま棒でぶつの。早く息の根を止めてあげたほうが、ラクになるからって」

そういう考え方もあるね・・・。